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ダメダメ家庭出身者の状況
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カテゴリー ダメダメ家庭出身者の状況
配信日 08年6月20日
タイトル 約束の地・スパイラル

自分自身から逃避しているダメダメ人間は、現状認識からも、思考からも逃避して「あの○○に行ったら、すべて解決!」なんて発想を持っている。
このことについては、以前より度々触れております。
いわば「約束の地」に類する発想を持っているもの。
苦難に満ちた現状を一気に解決する「蜜と乳が流れる理想郷」を掲げているわけ。
現実的に抑圧状況が厳しいので、もはや妄想だけが、「出口」となってしまっている状態。
そのような「約束の地」を掲げることによって、自己逃避状態を得ることができるわけ。

この「約束の地」の発想は、ヴァリエーションがあって、「故郷に戻ったら、すべて解決!」とか「実家に戻ったら、あっという間に解決!」なんて発想のケースもあります。自分が元いた場所に戻ったらすべて解決する・・・そんな「帰還の地」というか「逆・約束の地」と言えるような発想。お相撲の朝青龍さんがその典型ですね。いずれにせよ、現状認識から逃避して、「あの○○に行ったら・・・」なんて妄想に浸ってしまうわけ。何か不都合なことがあっても、「あの○○に、行きさえすれば・・・」と持ち出して、それっきり考えることをやめてしまう。

抑圧的な現実の中で、現実離れした妄想に、一時的に、救いを求めるのならともかく、現状認識とか思考を抑圧しているので、そんな「約束の地」の発想のみが救いとなっている状態。
ということで、「あの○○に行ったら、ワタシのこの事態も、すべて解決!」という発想を恒常的に掲げ続けることになる。
以前にも書きましたが、「約束の地」というものは、具現化された自己逃避なんですね。

さながら酩酊状態。
ツライ現実を見たくない!
ああ!飲まなきゃやってられるかよ!
心地よい酔いを覚ましたくないんだよ!

しかし、やっぱりこうも言ってしまう。
「ウイっ!オレは酔ってないぞぉ〜」

酩酊状態にあるものは、酩酊状態であるがゆえに、「オレは酔っていない!」と言えてしまう。
同じように、自分自身が自己逃避状態にあるということは、自分では認識できない。
それが自己逃避というもの。

さて、以前に洗脳について書いたことがあります。
洗脳というものは、その人が「自分の言ったことを正当化したい!」そんな心理的欲求を、周囲が上手にリードすることによって達成されるもの。上からガミガミと問答無用にお説教するのだったら、洗脳にはならず、ヘタをすれば、反発されるだけ。洗脳するためには「自分がしたことや言ったことは正しいことだったと、自分としては思いたい!」そんな当人の心理を利用しなければいけないわけ。洗脳とは、当人が主体的に進行させていくもの、自分で自分を縛っていくものであるわけ。

さて、では、「約束の地」の理想郷を掲げた抑圧系のダメダメ人間はどうなるの?

実は、まさに絵に描いたように、自分で自分を洗脳していくわけです。

「あの○○に行ったら、すべてが解決!」そんな発想を持っていても、たまには疑念が起こることもある。

まずは目の前の現状認識が必要なのでは?
ワタシは、ほんとうにそうしたいの?
もっと、別の方法もあるのでは?
△△さんは、別の考え方をアドヴァイスしてくれている。

本当に、「あの○○に行ったら、すべてが解決!」と言えるのかな?
そんな疑念そのものを、抑圧してしまうわけ。
疑念が心の中に芽生えても、「イヤ!そんなことはないんだ!あの○○に行けば・・・なんとかなるんだ!」と、自分で自分を納得させてしまうんですね。

ということで、自分が掲げる「約束の地」と相反するものの存在を認めようとしない。
その「約束の地」にフィットしたものだけを、受け入れるわけ。
相反する物事なり視点なり考え方を受け入れることを拒否する。
別の言い方をすると抑圧するようになるわけ。

「あの○○に行ったらすべて解決」という自分の夢を壊すものは拒否。
だから、抑圧状況から生まれた「約束の地」という発想によって、それ以外のものを、抑圧するようになる。
だから、現実的には、ますます抑圧状況が深まり、濃くなってしまう。まさに洗脳状態に近くなるわけ。いわば自分で自分を洗脳しちゃうわけです。

それこそ、「子供を持ったら、こんなワタシもマトモになれるんだ!」なんて「約束の地」を掲げる女性としても、それなりに逡巡することもある。

「ワタシが子供を持つ、って・・・親になるのはいいとして、このワタシに子供を育てられるの?」
「このワタシ自身の問題もあるし、このワタシと結婚するようなオトコは、本当にマトモなの?」
「周囲の人は、『子供を持て!』って言うけど、自分としては、本当にほしいのかな?」
「あの☆☆さんは、子供を持っても、いつもグチばかり・・・ワタシもあんな感じになってしまうのでは?」

そのような疑念も、一時的に持つことがあっても、それを拒否してしまうわけ。
「いや!そんなことはない!子供を持ったら、このワタシの問題がすべて解決するんだ!」
ということで、「子供を持てば、すべて解決」という発想にフィットするような事例ばかりを見ようとする。

「子供を持つのは、ふつうのことと皆が言っている!」
「あの★★さんは、子供と一緒でいつも楽しそう!」
「やっぱり、子供を持てば、すべて解決するんだ!」

やっぱりも何も、そんな事例ばかり集めたからそう見えるわけですが、自分でそんな事例ばかりを集めている・・・という認識はないわけ。それはあくまで無意識的なもの。
と言うことで「子供を持ったら、すべてが解決・・・子供を持ったら、ワタシは幸福。」と、絵に描いたような洗脳状態。

そんな洗脳状態にある人が、子供を育てるとどうなるのか?
そんなことは、それこそ子供だってわかることですよね?

結果的にトラブル状態なると、ますます現状認識から逃避するようになってしまい、人の話を聞かなくなる。だから子供の側も、ますます不満を持つ。
その結果がどうなるのか?

「ああ!子供を育てるために、ワタシは自分の人生を棒に振った!」
「子供がいるから離婚できない!」
と嘆き、自分の期待に応えられなかった、その「約束の地」に対して『報復』するようになるわけ。

「子供を持つと、すべて解決!」なんて事例を取り上げましたが、最近登場してきているのが「秋葉原に行ったら、すべて解決!」なる発想。
抑圧状況にあり、「うるおい」のない生活にいる人が、「うるおい」の街として秋葉原に、自分の救済への希望を託してしまう。

しかし、現状認識から逃避しているんだから、秋葉原に行っても、何も改善しませんよ。
しかし、「あの○○に行ったら、すべて解決!」と自分に念じている状態なので、それ以外の、発想や考え方は拒否している。だから別の改善策も出てこない。
と言うことで、「約束の地」の発想によって、スパイラル的に追い込まれてしまうわけ。
抑圧状況から生まれた「約束の地」によって、更なる抑圧状況が生まれてしまう。

それこそ「秋葉原に行ったら解決できると思っていたのに・・・結局はうまくいかないじゃないか!秋葉原のバカヤロウ!オレを救うことが出来ないこんな秋葉原は、本当の秋葉原じゃないんだ!こんな現実の秋葉原はオレが壊してやる!」
そして、「秋葉原でも救われないオレはもうダメだ!こんなオレ自身も壊してやる!」

そんな発想になると、どんな事件を起こしちゃうの?

何も秋葉原を「約束の地」とするケースばかりではなく「子供を持ったらすべて解決!」という「約束の地」でも、やることはやっぱり同じでしょ?
「約束の地」そのものを破壊しようとするとともに、「約束の地」で救われない自分自身を破壊するわけ。その事例もポピュラーですよね?

ちなみに、次回配信の文章では、この「約束の地・スパイラル」によって、結果的にドッカーンとなった状態を描いた有名な文章作品を取り上げます。
秋葉原の事件の犯人の心理も、インターネットなるものがない時代に、既に描かれているわけ。

(終了)
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発信後記

先日配信した文章の後記の中で『鈍感な人たちは、血が流れなければ狼狽しない。が、血が流れたときは、悲劇は終わってしまった後なのである。』という文章を紹介いたしました。次回は、その文章が入っている作品です。

上記の文章のように、鈍感な人は、血が流れれば、それなりには狼狽するもの。逆に言うと、血が流れてから狼狽する人は、鈍感な人とも言えますよね?
そんな鈍感な人の考えなり視点など、取るに足らないもの。
鋭敏な人なら、血が流れる前から、相応の見解を出しているものですよ。